外観も性能も、どれも似たり寄ったりの印象になりがちな充電器やモバイルバッテリー。どれも“ガジェットっぽさ”が前に出てしまい、インテリアとして部屋に溶け込むものは意外と少ない気がします。
そんな中でSHARGE 格納式 3-in-1 パワーバンクは、レコードプレーヤーのような佇まいのチャージャーです。ぱっと見ただけでデザイン面で他の製品との違いがよくわかります。置いておくだけで空間を少し楽しくしてくれる、インテリア小物のような存在感。モバイルバッテリー兼充電器というジャンルにおいて、このデザイン、なかなか見ない切り口です。

特徴的なデザインは Braun Audio 300 をオマージュしたものだそうで、透明なスケルトンデザインはNothingのような現代的な印象もあわせ持っています。直方体のしっかりとしたフォルムは、一般的な同スペック製品と比べてもやや大きめ。ただ、この“存在感”こそが本製品の魅力のひとつ。
ここ最近では巻取り式ケーブルが人気で、デスク周りのすっきり感や持ち運び時の絡まり防止など、利便性を求める人に選ばれる傾向が強くなってきました。
スマホ・タブレット・PC・電子書籍リーダー・イヤホンなど、日々持ち歩くガジェットが増える現代では、複数のデバイスを同時に充電できる設計や、10,000mAhの大容量バッテリーが、現代の使いやすい形だと思います。

本体には 充電器・モバイルバッテリー・ケーブル が一体化していて、いわゆる3in1設計。旅行や出張で荷物を減らしたいときにも便利で、これひとつバッグに入れておけば十分という安心感があります。
折りたたみプラグをコンセントに挿せば急速充電器として使え、出力は 最大30W。MacBook Air や iPad Pro、もちろんiPhoneなどの充電も問題なし。
折りたたみプラグは今やマストとも言える仕様ですが、他のデバイスを傷つけず、バッグの中でもスッキリ収まるのでやはり便利です。

使い勝手を大きく左右する巻取り式ケーブルは60cm。引き出しの滑らかさが良く、使いたい長さに合わせて固定できるのが地味に使いやすいポイント。最大長は60cmなので、コンセントの位置によっては“充電しながらの使用”が難しい場面もありそうですが、モバイルバッテリーとしては十分です。
ケーブル先端がぴったりと本体に収納されるのも心地よく、しまうときの“カチッ”と収まる感じがクセになります。

10,000mAhのバッテリー容量は私の iPhone 16 Pro MAX を約2回フル充電できるほど。内蔵ケーブルのほかにUSB-Cポートも搭載されているので、同時に二台を充電する使い方もできます。
そして気に入っているのが、バッテリー残量を表示する ドットマトリックス風のパーセント表示。シンプルで視認性がよく、使っているときのアクセントにもなります。

使っていて気づいた点もいくつかあります。
まず、やや大きめのサイズ感は好みが分かれるポイント。ただ、この製品は“コンパクトさ”を優先したプロダクトではなく、デザインと存在感に価値を置いているタイプ。そう考えると、このサイズは製品コンセプトを体現しているとも言えます。
気になった点を一つ挙げるなら、ストラップ。個人的に持ち運びよりも家で“見せるガジェット”として置いておく使い方がしっくりくるため、ここだけ少し安っぽさを感じました。スピーカーのオマージュであるなら、もう少しデザインに振り切ってもよかったかもしれません。
普段はインテリア小物としてさりげなく置いておき、使いたいときにスッと手に取る。そんな“暮らしに馴染むガジェット”としての使い方がベストだと思います。

ケーブルが常に本体に収納されているため見た目もすっきりしており、出しっぱなしでも生活感が出にくいのが良いところ。チャージャーとしての基本性能はしっかり備えているので、1台で便利に活躍してくれるアイテムです。荷物を減らしたい人、見た目にこだわる人、家のデスクに“The ガジェット”ではなく“飾っておけるプロダクト”を置きたい人──そんな人には「格納式 3-in-1 パワーバンク」がぴったりのアイテムだと思います。
単なるモバイルバッテリーではなく、生活を少し豊かにしてくれる“見せたいチャージャー”。そんな一台でした。




コメントを残す