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YAMAHA PAS Carigo 購入レビュー|子乗せ”専用車”じゃない、という選び方

リヤチャイルドシートと前カゴを装着した YAMAHA PAS Carigo と、後ろに立つ筆者。「PAS Carigo 購入レビュー|子乗せ”専用車”じゃない、という選び方」

引越しを機に、娘の保育園の送迎と自分の通勤のため、自転車が必要になりました。それまでは保育園も駅も徒歩圏内で、自転車がなくても暮らせていました。

娘は3歳半。子乗せ自転車を買うには、やや遅い導入です。乗せて走れるのは、小学校に上がるまでのあと2年半ほど。

私たちがこのタイミングで選んだ自転車は、YAMAHA PAS Carigo(パス キャリゴー)という自転車です。

室内に置かれた YAMAHA PAS Carigo の全体。前カゴとリヤチャイルドシートを装着した状態

専用車も、最後の最後まで候補に残っていました。何を比べて、何を理由に外したのか。同じように迷っている方の参考になればと思います。

娘は3歳半。子乗せ専用車を買うには遅いタイミングで必要になった

PAS Carigo の前カゴとフレーム。YAMAHA のロゴが入った低床フレーム

今までは、子どもを乗せる自転車が必要ありませんでした。遅れていたわけではなく、単に要らなかったのです。新居は、駅も保育園もバスか自転車が必須の距離。ここで初めて必要になりました。

そして自転車を選ぶにあたって、「子乗せ専用車にはしない」というのが夫婦共通の認識でした。理由は二つあります。

ひとつは、うちが乗せるのは娘1人だということ。一般的な子乗せ専用車は、前後に2人を乗せる三人乗り設計です。そのぶん車体は長くなり、フレームも独特の形になる。うちはその設計を、一度も使わないまま持ち続けることになります。

もうひとつは、乗せる期間が短いこと。娘が小学校に上がる頃までとすれば、あと2年半ほど。一方でこの自転車は、通勤で毎日乗ります。娘を乗せるのは1日2回、残りの時間は自分1人です。

つまり「娘を乗せる2年半」より、「自分が乗り続けるその後」のほうがずっと長い。

選ぶべきなのは、一番いい子乗せ自転車ではなく、その両方をこなせる設計の自転車でした。

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父としての、子乗せ自転車を購入するたった一つの条件

PAS Carigo のリヤチャイルドシートと後輪まわり

父としての私が選ぶ条件は一つ、「安全に配慮されていない自転車は選ばない」。

私は若い頃からクロスバイクに乗っています。今も手元にある、10年来の相棒です。日常の脚として使ってきたからこそ、公道を自転車で走ることの危うさも、よく知っているつもりです。

昔、自転車で事故に遭いました。片側一車線の道路の左側を走っていたとき、信号待ちの車と車の間から、別の自転車が横断歩道でもない場所にヒョイと出てきて、私に突っ込んできたのです。手のひらを縫いました。あの痛みは今でも覚えています。

自分ひとりなら、転んでも自己責任で済みます。でも、後ろに娘が乗っていたら済みません。しかもこの自転車は、妻も運転します。

だから条件である安全面は、まっさきに考えるべき優先項目でした。

3台を比べて、PAS Carigo を選びました

PAS Carigo のハンドルを握る手元

候補は3台ありました。パナソニックの EZ、ブリヂストンの bikke MOB dd、そしてヤマハの PAS Carigo です。

ただしこの3台は、同じ土俵に並んでいたわけではありませんでした。

Panasonic EZbikke MOB ddPAS Carigo
子乗せ対応メーカー非対応リヤシート標準装備純正リヤシート対応
全長1,620mm1,810mm1,770mm
全幅575mm580mm590mm
車体重量22.0kg33.5kg27.1kg
タイヤ前後20インチ前24/後20インチ前後20インチ
適応身長149cm〜142cm〜139cm〜
バッテリー8Ah(約202Wh)9.9Ah(361Wh)15.8Ah(約398Wh)
変速3段内装3段内装3段
駆動チェーンカーボンベルトドライブチェーン
価格(税込)約150,000円196,700円163,000円
候補にあがった3台の主要スペック比較(EZ の価格のみ実勢価格・2026年8月時点)

まず、お話ししておかなければいけないのは、EZ の子乗せはメーカー非対応になるという点です。

Panasonic EZ ── 一番軽くて、一番短い。それでも選べなかった

EZ のデザインは魅力的に見えました。インターネット上で、身軽に子どもを乗せて走るスタイルをよく見かけたので、候補にしました。

しかし調べていくと、EZ はチャイルドシート非対応であることが分かります。

Panasonic EZ 公式サイトの製品ページ。チャイルドシートは取り付けできないと記載されている
Panasonic EZ 公式ページより
EZ は子乗せに対応していません

EZ は、メーカーが子乗せを想定していない車体です。公式にも「チャイルドシートは取り付けできません」と明記されています。

EZ の荷台は、チャイルドシートを載せられる強度がありません。リヤチャイルドシートを取り付けるには、クラス25以上のキャリヤが必要です。EZ のものは、そこに届きません。載せたければ、キャリヤごと交換して、スタンドも安定したものに変えることになります。

ここまでくると、純正パーツを取り付けるのではなく、カスタムです。カスタムをすればメーカーの保証は受けられなくなる。だから正規の販売店では引き受けてもらえない、という話でした。

実際に、何店舗か回って聞いてみました。返ってきたのは、どこも同じ答えです。

うちでは装着できません。

ネットで調べると、引き受けてくれる店もあるようです。取り付けて乗せている例も見つかります。ただ、それはあくまで自己責任ということになります。

EZ はコンパクトで、身軽に乗れる。そのスタイルは本当に魅力的でした。それでも、自転車を選ぶうえでの大前提だった安全性に、やっぱり引っかかってしまう。この自転車は、候補から外すことにしました。

ブリヂストン bikke MOB dd ── 最後まで残った一台

最後まで残ったのが、ブリヂストンの bikke MOB dd でした。

子乗せ専用車です。リヤチャイルドシートが標準で付いていて、EZ で引っかかった問題を、この車体は最初から解決していました。

家電量販店の自転車コーナーで、実車に乗ってみました。といっても10分ほどです。乗り味を語れるほどではありませんし、他社と乗り比べたわけでもありません。それでも、はっきり分かったことが二つありました。

ひとつは、跨ぎやすさ。電動アシスト自転車に乗ること自体がほぼ初めてで、普段クロスバイクに乗っている私にはフレームの形がまるで違い、こんなに楽に乗り降りできるのかと驚きました。

もうひとつは、重さです。覚悟はしていましたが、やはり重い。そして押しながら、ずっと頭にあったのは——妻はこれを扱えるだろうか、ということでした。

ひとつ、bikke MOB dd の良いところを挙げておきます。チェーンがベルトタイプなんです。金属のチェーンに比べてメンテナンスが楽で、洋服も汚れにくい。これはブリヂストンを選ぶメリットだと思います。

安全で負けたわけではありません。bikke MOB dd は、私の条件を満たしていました。それでも最終的に候補から外れたのは、重さと、重心と、娘が降りたあとの使い道のためです。

PAS Carigo に決めた理由

低床フレームをまたぐ様子。前カゴと20インチの前輪

そして今回、購入するに至ったのがこの YAMAHA PAS Carigo。先述している通り、今と将来の使い方を総合的に考えて決めたのがこの自転車でした。

リヤチャイルドシートが安全に取り付けられ、コンパクトなサイズ感であり、将来的に荷物を運ぶ自転車としての役割も担える。長く使っていきたいので、この自転車を選びました。

ヤマハ純正のアクセサリー適合表には、リヤチャイルドシートの適合車種として「2026年〜PAS CARIGO」が明記されています。しかも「PAS CARIGO装着時はドレスガード必須」という個別の注記まである。メーカーが実際に確かめたうえで条件を出している、ということです。

自己責任で載せるのではなく、メーカーが想定している。EZ との差は、ここでした。

荷台の強度も違います。PAS Carigo のリヤキャリヤは耐荷重30kg。EZ が届かなかったクラス25を、しっかり上回っています。

bikke MOB dd との差は、数字にはっきり出ました。車体重量は 33.5kg と 27.1kg。6.4kg の差があります。自分はともかく、妻も扱う自転車です。重すぎると、倒したときの取り回しが難しくなる。なるべく軽いほうがいいと思っていました。

タイヤも違います。bikke MOB dd は前輪が24インチで、ひと回り大きい。PAS Carigo は前後とも20インチです。重心が低いぶん、停めるときや娘を乗せ降ろしするときの安定につながります。見た目のコンパクトさも、私たちの好みでした。

適応身長は、bikke MOB dd が142cmから、PAS Carigo は139cmから。身長がそれほど高くない私たち夫婦には、余裕があるほうがありがたい。

全長は1,770mm。bikke MOB dd より40mm 短いだけですが、短い理由ははっきりしています。この自転車は3人乗りを想定していないので、前にチャイルドシートを載せるスペースがありません。そのぶんだけ短い。うちは娘を1人しか乗せないので、使わない設計に長さを割かずに済みました。

そしてこの短さと軽さは、送迎よりも通勤で効いてきます。娘を乗せるのは1日2回。残りの時間は、自分ひとりでこの車体を押して、停めて、走らせることになります。

バッテリーは約398Wh。3台のなかで一番大きい容量でした。

そして、娘が降りたあとも残る

リヤキャリヤの30kg は、子どもを乗せるためだけの数字ではありません。前のカゴにも6.6kg 積めます。チャイルドシートを外せば、そのまま荷物を運ぶ自転車になります。

bikke MOB dd は、リヤチャイルドシートが標準装備でした。子どもを乗せることを前提に作られた自転車です。ここが、最後の分かれ目でした。

娘を乗せるのは、あと2年半。でも私は、そのあともこの自転車に乗り続けます。後ろの席が空いたとき、この自転車が何になるのか。それを考えて選びました。

買ったのは「子乗せ自転車」ではありません。「子も乗せられる、うちの自転車」でした。

納車後に分かったこと

PAS Carigo のバッテリーを取り外しているところ
申し分ない安全性能上り坂でのパワー不足
スタンドを立てたときのロック機能ギアがもっと欲しい
子どもを乗せたときの走行性能電子パネルが物足りない
PAS Carigo を使ってみて感じた良い点・気になった点

さて、実際に購入して約2週間ほど日々のルーティンの中で使ってみたので、乗ってから気づいた点をまとめていきたいと思います。

まずよかった点ですが、一番大事にしていた安全性能については満点だったなというのがまず率直な意見です。車体が低いので走行時に安定感があると感じます。信号待ちなどで停まっている時も安心感があります。スタンド時の前ハンドルの固定化やキックスタンドの安定性も抜群だと感じます。娘を乗せていて安心というのが自転車に一番求めていたことだったので大正解でした。

電動自転車は、こんなに重い乗り物なのかとよく分かりました。これまで乗っていたクロスバイクが9kg。この自転車は27.1kg。約3倍です。

ここまで重いと、小回りが利かない不便さは少し感じます。そもそも目的が違うので、スピードや爽快感を求める乗り物ではないと実感しました。その代わり、荷物や子どもを乗せたときの走りやすさは別格です。速く走るための自転車ではないけれど、安定していて、毎日使う乗り物として楽に漕げる。そういう自転車でした。

妻も乗っています。ただ、この重さでもぎりぎりのようです。

乗っているあいだは問題ないと言います。重さが出るのは、降りてからでした。押して歩くとき。そして、押しながら方向を変えるとき。駐輪ラックに入れるときも一苦労で、力が要ります。

27.1kg でこれです。bikke MOB dd なら、ここからさらに6.4kg 重い。

保管は、玄関にそのまま置いています。雨風を防げて汚れにくいですし、高価な買い物なので防犯も気になる。まだ新車ということもあって、今のところは屋内です。

それができるのは、全長1,770mm という短さと、前後20インチのタイヤのおかげだと思います。玄関に置いても、そこまで圧迫感がありません。

娘も初めて乗りました。最初の感想は「楽しい」の一言です。

保育園へ向かうあいだも、だいたい歌っています。怖がらずに乗ってくれたのが本当によかった。これからも安全運転に努めます。

バッテリーは我々の使い方では1週間のルーティンは充電なしでこなせる感じでした。平日の片道3km の往復を週5でこなしてもバッテリー残量は40%ほどは残っています。金曜日の帰宅後に自転車から外してバッテリーを充電すれば、週末ちょっと離れた場所までお出かけもできました。

気になった点というか、坂道の多い場所に暮らしているので、上りのときは電動といえど割と力を入れて漕がないといけないんだなと思うシーンがよくあります。他社と乗り比べたわけではないので断言はできませんが、少なくとも私は、坂道で力を入れて漕ぐ場面がありました。あとはこれはクロスバイク出身の私だからだと思うのですが、ギアがもう少しあったらいいなと思ってしまいます。重たいギアがあればもう少し漕がずに回転させられることもあるのになと思いました。まあ街を走っていて思うのは、割と私は一生懸命漕ぐのでスピードを出しがちなので、安全面からもそこを求めてはいけないとも思っています。

3歳半から買うなら ── 私たちが決めた自転車選びの軸

PAS Carigo の後輪まわり。ドレスガードとリフレクター

ここまで書いてきたことを、読者のみなさんが自分に当てはめられる形で整理してみます。

この条件に当てはまるなら、専用車以外も選べます

・乗せるのは1人か、2人か

残り何年乗せるか

・子どもを乗せずに、自分1人で乗る時間はどのくらいあるか(通勤・買い物)

・その車体を、家族の誰が扱うのか(重さと適応身長)

・車体を、子の卒業後も使う予定があるか

保護構造のあるチャイルドシートが、純正で用意されているか(ここだけは絶対に妥協しない)

子乗せ自転車を購入するタイミングがまず大事になると思いますが、我が家のように、必要なかったけど必要になったという人は、何人乗せるのか、あとどのくらい乗せられるのかをまずはベースに考えていきましょう。

私たちの場合、3台は違う理由で候補から外れました。

EZ は、安全の線で落ちました。スペックは一番よかったのに、そこだけが越えられなかった。

bikke MOB dd は、安全の線は越えていました。落ちたのは、重さと重心と、娘が降りたあとの使い道です。

どちらで迷っているかで、選ぶべき自転車は変わります。

子乗せ期間も、その後も大事なのは安全性になるのは繰り返しになりますが伝えたい一番のポイントかなと思っています。

まとめ|将来性と安全性で選んだ YAMAHA PAS Carigo という電動自転車

急遽必要となった、子どもを乗せるための自転車。自分たちで考えた末に、今も未来も満足のできる選択をすることができたと思っています。

家族での自転車ライフが始まった今、個人的にも電動自転車の楽しさに気づくきっかけとなりました。娘もすぐに自分の自転車が欲しくなるでしょうし、私自身も、快適な移動アイテムとしての電動自転車という分野に興味が出てきました。

やっぱり大事なのは安全面。これを基準に、今後もまたよい自転車に出会えることを楽しみにしていきます。

今回購入した自転車

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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