Sonos Arc UltraやSonos Sub 4で体験した、全身で包み込まれるような立体的な音の広がり。
あの壮大なサラウンド音響を初めて体験した感動は今でも鮮明に記憶に残っていて、音楽や映画を楽しむことが、日々の暮らしのなかで欠かせない楽しみのひとつになっています。
そんなホームオーディオに強みを持つSonosが、サラウンドバーやスピーカーとは異なる“パーソナルな空間”でSonosらしい音を楽しめるヘッドホンを発売していたと知り、強く興味を持ちました。
それが、今回ご紹介する 「Sonos Ace」 です。
「音の臨場感は、ヘッドホンでどんな表現がされるのだろう?」
その疑問と期待を抱きながら、音質・装着感・機能性・ノイズキャンセリング性能など、ヘッドホン単体としての視点でじっくりとレビューしています。
ヘッドホン選びの参考になれば幸いです。
この記事で紹介しているSonos Aceは、Sonos様より製品提供を受けて作成したPR記事です。
ただし、使用感やレビュー内容についてはすべて実際に使用した正直な感想をもとに記載しています。
Sonos Aceはどんなヘッドホンなのか。

Sonos Aceは、アメリカ発のオーディオブランドSonosが初めて手がけたオーバーイヤー型のヘッドホン。
2024年6月に発売され、同年には「空間オーディオヘッドホン」部門で家電批評2024年ベストバイを獲得。さらに2025年には「VGP 2025 SUMMER 金賞」や「VGP 2025 コンセプト大賞&金賞」など、数々のアワードを獲得し、業界内でも高い注目を集めています。
2025年6月には大型のアップデートが行われ、以下の新機能・強化が加わりました。
・TrueCinema:Sonosサウンドバーの音場をヘッドホン内で再現する新機能
・TV Audio Swapの拡張:複数台のSonos Aceで同じTV音声を同時に楽しめる機能追加
・アクティブノイズキャンセレーション(ANC):髪型やメガネの装着による音漏れを自動修正し、ノイズキャンセリング性能を向上
さらに、2025年8月には価格改定が行われ、¥74,800(税込)から¥59,800円(税込)へと、15,000円の値下げが実施されました。
機能面での進化に加えて、価格的にも手に取りやすくなったことで、今まさに購入を検討する価値のある一台です。
Sonos Aceの特徴とデザイン

Sonos Aceは、アクティブノイズキャンセリング(ANC)、空間オーディオ(DolbyAtmos)、ロスレス再生など、近年のハイエンドヘッドホンに求められる要素をしっかり備えたモデルです。
バッテリー駆動時間は、ANCオンの状態で最大30時間。1日を通して十分に使える容量で、さらに3分の充電で約3時間再生可能な急速充電にも対応しています。忙しい朝でも、短時間の充電で必要なバッテリーを確保できます。
接続方式はBluetoothに対応し、ワイヤレス利用時はアプリからEQ(イコライザー)設定で音質を好みにカスタマイズが可能です。※有線接続時にはEQ設定は無効化される仕様です。
デザインにも、Sonosらしい洗練されたプロダクト哲学を感じることができます。
全体は曲線を基調としたシルエットで、無駄をそぎ落としたミニマルな佇まいが印象的です。

今回紹介しているブラックモデルは、イヤーカップからヘッドバンド、接続部に至るまでオールブラックで統一。ロゴも同系色でさりげなく印字され、全体の美しさを損なわない仕上がりになっています。

イヤーパッドは非常に柔らかいクッション性のある素材で、肌に心地よく触れます。取り外し可能な設計になっており、汚れや破損時にはパーツ単位で購入・交換が可能。さらに左右の内カバーが異なる色になっており、視覚的にも左右を判別しやすい工夫が施されています

ヘッドバンドの内部にはステンレススチール製のアームが採用されており、無段階で長さ調整が可能。自分の頭の形やサイズに合わせて、最適な位置にフィットさせることができます。華奢でミニマルな見た目ながら、耐久性と高級感を兼ね備えている点も魅力です。

操作部はシンプルに配置されており、左側には電源とBluetooth接続を兼用するボタンが一つ。右側には、ノイズキャンセリングとアウェアモード(外音取り込み)の切り替えボタン、さらにスライド操作と押し込み操作の両方に対応した音量調節/再生停止ボタンが備わっています。直感的な操作性もデザインの一部として成立しています。

見た目にも美しく、機能美を感じるデザインは所有欲を満たしてくれます。
では、このプロダクトがどんな体験をもたらしてくれるのか。次に使用感をレビューしていきます。
【レビュー】Sonos Ace を実際に使った感想

さて、それでは実際に使ってみた感想をお伝えします。まずは肝心の「音質」について。
これまでいくつかのヘッドホンを使ってきましたが、Sonos Aceは期待どおり、心地よいサウンドを届けてくれました。
音のバランス、空間的な広がり、響きの余韻──どれも豊かさに満ちています。
今回は、使用から1週間ほどのファーストインプレッションとしてお伝えします。Sonosらしい、低音から高音までバランスのとれた音作り。音に包み込まれるような広がり。
ヘッドホンという“閉じられた空間”でありながら、音が前へ、横へ、外へと広がっていくような感覚。まさに「耳元に広がるホームシアター」という言葉がぴったりです。
音楽では、ボーカルの声がしっかりと立ち上がり、楽器の細かな音も繊細に聴き取れる印象があります。専門知識のない私でも、「余韻を感じる」と言いたくなるような音の伸びがあり、息づかいや楽器の振動までじんわりと心に響いてきます。
そして、Sonosのサウンドといえば映画。中でも印象的だったのは、セリフがまるで耳元で囁かれているかのように届いてくること。 そのリアルさに、思わず鳥肌が立ちました。
感動的なシーンではBGMが感情とシンクロするように響き、心が大きく揺さぶられました。家のソファで観ていただけなのに、まるで映画館の“いい席”で映画を観ていたような感覚を味わえました。
音は左右だけでなく、奥行きや高さを感じる立体的な動きもあり、ヘッドホンでここまでの映画体験ができるなんて、と素直に驚きました。
そして、Sonos Aceには2025年6月のアップデートで「TrueCinema」という新機能が追加されました。これは、Sonos独自の空間最適化技術「Trueplay」をヘッドホンにも応用したもので、Arc Ultraなどのサウンドバーと連携し、部屋の音響空間をスキャン。その3Dサウンド空間を、Sonos Aceの中で再現するという機能です。
現時点ではまだ本格的に試せていませんが、「部屋全体の音」をそのままヘッドホンに持ち込めるというアイデアにワクワクしています。
我が家にあるArc UltraとSub 4との連携で、どんなリッチなリスニング体験ができるのか──これから試すのがとても楽しみです。

Sonos Aceの重さは約312g。このクラスのヘッドホンとしては標準的な重さだと思いますが、丸みを帯びた滑らかなデザインのせいか、実際に装着すると軽く感じます。
イヤーパッドやヘッドバンドにはレザー調の柔らかな素材が使われており、肌に当たる感触も優しく、装着時のストレスをほとんど感じません。締め付け具合もちょうどよく、まだ長時間の使用は試していないものの、今のところこめかみが痛くなるような違和感はありません。
また、無段階で調整できるステンレススチールのアームにより、自分の頭のサイズや形に合わせて最適な位置にぴったりと調整できるのも嬉しいポイント。華奢でミニマルなデザインも個人的にはとても好みです。
私が使い始めたのは夏の時期ということもあり、屋外での使用は少し暑さを感じますが、電車内やカフェなど空調の効いた室内であれば、思ったよりも快適に装着していられると感じています。
また、イヤーパッドに汗がうっすらつくことはあるものの、染み込むことはなく、さっと拭き取れる点も◎。さらにこのイヤーパッドは取り外し可能で、劣化した際にはパーツだけを購入して交換できるエコな仕様。ヘッドホンで最も消耗しやすい部分だけに、これは嬉しい配慮です。長く愛用するための工夫がきちんと施されていると感じました。

ヘッドホンを使う中で、私が意外と重視しているのが「直感的に操作できるかどうか」です。音質や装着感がどれだけ良くても、操作にストレスがあると、使うたびに小さな不満が積もってしまうもの。Sonos Aceはその点でもよくできていると感じました。
まずは電源まわり。左側にある唯一のボタンが電源のオンオフとBluetooth接続の両方を担っています。このボタンはちょうど左手でヘッドホンを持ったときに親指が自然と触れる位置にあり、迷わず操作ができる配置です。電源オンオフは長押しで切り替わるのですが、少しだけ反応までの時間が長い印象がありました。わずか2〜3秒の差ですが、もう少し短ければもっと快適かもしれません。
Bluetooth接続は、そのままボタンを長押しし続けることでペアリングモードへ移行します。接続自体は非常にスムーズで、反応も良好。ただし、同時接続できるのが2台までというのは、スマホ・タブレット・PCなど複数台を使う私にとっては少し物足りなく感じました。3台以上のデバイスを自由に切り替えられると、より便利だと思います。
右側のイヤーカップにはノイズキャンセリングの切り替えボタンがあります。これも親指が自然と届く位置にあるので、装着したままでもスムーズに操作可能。しかも切り替えの反応速度が非常に速く、特に電車やカフェなどで環境音が気になる時にはありがたいポイントです。
そして、そのすぐ上にあるのが再生・停止や音量調整を担う「スライド式のダイヤルボタン」。この操作が特に気に入りました。再生・停止はダイヤルを押し込むことで、音量調整は上下にスライドさせることで行えます。最近は+/−のボタン式が多い中、このスライド式は「上げたい時は上に、下げたい時は下に」と直感的に操作できるのがとても快適。物理的な押し間違いも起こりづらく、スムーズに操作できます。

ノイズキャンセリングも、ヘッドホンを選ぶ上で重要な要素のひとつ。
Sonos Aceは、ノイズキャンセリング性能を重視する人にも十分に魅力を感じてもらえる仕上がりだと感じました。
まずその“効き”についてですが、非常に優秀です。
自宅、カフェ、通勤の車内、職場など、生活のさまざまな場面で試しましたが、どの環境でも「自分だけの空間」がしっかりと確保される感覚があります。
特に自宅では、周囲の音がほとんど気にならなくなるレベル。
カフェや電車の中では完全な無音とはいきませんが、それでも環境音が“さざ波”のように感じられる程度。
まるで静かな図書館の中にいるような感覚で、気が散ることなくコンテンツに没頭できます。
正直、ノイズキャンセリングに関しては「不満が一切ない」と言ってもいいくらい、完成度の高さを感じました。
一方で、アウェアモード(外音取り込み機能)もかなり優秀です。
切り替えボタンは反応が速く、手元でスムーズに操作できる点も好印象。
音の取り込み具合は“自然音+0.7”くらいの補聴感があり、外音を増幅しすぎることなく、あくまで自然に、ほんの少し聞き取りやすくしたような調整感があります。
“機械的で不自然な音”という印象はまったくなく、「ヘッドホンをつけていない状態」に近い、けれど少しだけ聴き取りやすく補正されているという自然な感覚です。
アウェアモードは意外と使用頻度の高い機能だからこそ、この完成度の高さは大きなポイント。
ノイキャン・アウェアモードのどちらも非常に高品質で、正直この両者の完成度には驚かされました。
Sonos Aceの気になった点はある?

ここまでSonos Aceの魅力を中心にお伝えしてきましたが、実際に使ってみて「ここがもう少し改善されたら完璧なのに」と感じた点もいくつかありました。購入を検討されている方の参考になればと思い、あえて気になった点も記載しておきます。
まず1つ目は、イヤーパッドが片側にしか倒れない点です。これはヘッドホンを首にかけておきたいときに気づいたのですが、片側は内側に寝かせられるのに、もう片方は倒すことができませんでした。首にかけたときの収まりやすさを考えると、両方とも寝かせられる構造だとより快適だったかもしれません
2つ目はコンパクトさに欠ける点です。Sonos Aceはアームを縮め、イヤーパッドを寝かせることで一応フラットにはなるものの、アーム自体を折りたたむ機構は備わっていません。専用ケースでの持ち運びを前提とした設計だとは思いますが、頻繁に持ち歩く方にとっては、もう一歩小さくできたら嬉しいポイントかもしれません。
3つ目は有線接続時にイコライザーが効かなくなる点です。私は普段、アプリから低音を少し上げてカスタマイズしているのですが、有線接続時にはその設定が無効になります。有線で使用する機会は少ないとはいえ、将来的に気になる場面が出てくるかもしれないなと思いました。
全体として、これらはいずれも「ちょっと気になった」というレベルで、致命的な欠点とは感じていません。強いて言えば、という程度の些細な話です。それ以上に、Sonos Aceの音質・装着感・機能性の高さは十分に魅力的で、使っていて大きな不満を抱くような場面は今のところありません。
Sonos Aceを選ぶ理由

以上、日常使いという視点から「音質」「装着感」「操作性」「ノイズキャンセリング」の4つの要素にフォーカスして、Sonos Aceの魅力をお伝えしてきました。
もちろん、自宅のSonosオーディオ環境と組み合わせて使うことにも大きな魅力があります。ただ私は、このSonos Aceを“ヘッドホン単体”として見たときにも、十分に価値ある製品だと感じることができました。 そして、それを自分の耳で確かめたかったというのが正直なところです。
その結果——
Sonos Aceの使用体験は、期待以上に満足度の高いものでした。
映画や音楽を、ノイズキャンセリングの効いた“自分だけの空間”で楽しみたい。
空間的に広がる豊かなサウンドに包まれたい。
そんな思いを持っている方には、きっと満足度の高いヘッドホンになるはずです。
とはいえ、まだSonos Aceの実力をすべて引き出せているとは言えません。
これから長期的にじっくりと使い込んでいきながら、今後のアップデートやSonos製品との連携、そしていつか登場するであろう「Ace 2」への期待も込めて、引き続き楽しんでいきたいと思います
最後までお読みいただきありがとうございました。Sonosのサウンドバー「Sonos Arc Ultra」に関するレビューも書いているのでぜひ併せてご覧ください。

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